インフルエンザワクチンについて
インフルエンザワクチンについて


【インフルエンザワクチン接種の目的】

妊娠中の方がインフルエンザウイルスに感染すると、肺炎などを合併して重症化しやすくなります。このワクチンは、免疫をつけて死亡者や重症者の発生を出来る限り減らすことを目的に接種するものです。今回のインフルエンザワクチンは、インフルエンザHAワクチンといいA/H1N1(pdm09)とA/H3N2(香港型)、B/(山形系統)、B/(ビクトリア系統)の4価ワクチンです。

ワクチンの効果が出るのに約2週間かかりますので、お産が近い方は早めの接種をお勧めします。


【インフルエンザワクチンの有効性・安全性】

現在、国内で使用されているインフルエンザワクチンの効果については、重症化の減少や死亡の防止については一定の効果がありますが、インフルエンザの感染防止に対しては効果が保証されるものではありません。

インフルエンザワクチンには、流産・奇形児の危険が高くなるという報告はありません。妊娠全期間を通じて接種可能であり積極的なワクチン接種が国内外で推奨されています。しかし、当院では胎児への影響が少ない妊娠12週以降の接種をお勧めしています。また、当院では、防腐添加剤のチメロサール(有機水銀化合物)を含有していないワクチンを使用しています。

インフルエンザワクチンは化学的に処理をして免疫原物質は残して病原性を無くした不活化ワクチンですから、体内で増えることはありませんし、母乳を通して赤ちゃんに影響を与えることもありません。したがって、授乳中にインフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。しかし、母親がインフルエンザワクチンを接種したことによって、赤ちゃんに対してインフルエンザ感染予防効果を期待することはできません。

インフルエンザワクチンでは、重篤なアレルギー反応が100万人当たり2〜3人に起こることが報告されています。日本製のインフルエンザワクチンは鶏卵を使って作りますので、卵アレルギーのある方(ニワトリの肉や卵などが原材料に含まれている食品類をアレルギーのために日常的に避けている方)では重篤なアレルギー反応を起こす危険度が高い可能性があります。

したがって、卵アレルギーのある妊婦の方には、[1]インフルエンザに発症したら直ちに(48時間以内)に抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザなど)を5日間服用、[2]インフルエンザ患者と濃厚接触した場合には抗インフルエンザ薬の1日治療量の半量を10日間服用することが推奨されます。


【インフルエンザワクチン接種を控えるべき方】

次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種が受けられません。
 (1) 37.5℃以上の発熱のある方
 (2) 重篤な急性疾患にかかっている方
 (3) 今までにワクチン接種で重篤なアレルギー反応を呈したことのある方
 (4) ワクチン接種を受けることが不適当な状態であると医師に判断された方

心配な方は、医師とよく相談してください。


【インフルエンザワクチン接種上の注意点】

次のいずれかに該当する方は、健康状態や体質等を担当の医師に伝え、よく相談した上で接種を行ってください。
 (1) 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害、気管支喘息などの基礎疾患を有する方
 (2) 今までにワクチン接種で接種後2日以内に副反応(発熱や全身性発疹などのアレルギー症状)を疑う症状があった方
 (3) 今までにひきつけ(けいれん)を起こしたことがある方
 (4) 免疫不全症と診断されている方、あるいは近親者に先天性免疫不全症の人がいる方
 (5) ニワトリの肉や卵などにアレルギーのある方

ワクチン接種前後の激しい運動は避けましょう。接種部位は清潔に保ち、接種後の体調管理をしっかり行ってください。

ワクチン接種後の入浴は差し支えありませんが、注射した部位をこするのはやめましょう。

接種部位の異常反応や体調の変化、さらに高熱、ひきつけ(けいれん)などの異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けてください。


【インフルエンザワクチン接種の副反応】

副反応とはワクチン接種に伴い、本来のワクチン接種の目的である『免疫をつける』以外の反応が発生した場合、これを副反応と呼びます。

インフルエンザHAワクチンでは、接種部位の局所反応(発赤、腫張、疼痛など)、全身反応(微熱、悪寒、頭痛、倦怠感、嘔吐など)の副反応が出ることがありますが、通常2〜3日で消失します。

その他、高熱、ひきつけ(けいれん)、ショック、重篤なアレルギー反応症状、急性散在性脳脊髄炎なども重大な副反応としてまれに報告されています。このような症状が出た場合には、速やかに医師の診察を受けてください。


【重篤な副反応発生時の救済制度】

今回のインフルエンザHAワクチン接種を受けた方が、ワクチン接種によって重篤な副反応が発生した場合は、医療費や医療手当など予防接種法の定期予防接種に準じた一定の給付を行う制度があります。