Q&A集/妊娠のQ&A/125
妊娠中のQ& A

【Q125】 成人T細胞白血病の母児感染予防にはどうすれば良いのでしょうか?
【A125】 成人T細胞白血病(ATL) は、成人T細胞白血病ウィルス(HTLV-I) と呼ばれるウィルス感染が病因で起きる血液の癌です。ATLは、熱っぽい、だるい、リンパ節が腫れる、発疹がでるなどの症状ではじまります。進行がはやいタイプのATLは、抗がん剤がききにくいため、死亡率の高い白血病です。
HTLV-1キャリアの診断は、スクリーニング検査(CLEIA法もしくはPA法)で陽性であった妊婦さんに確認検査(Western blot法)をして決定します。HTLV-1は、主に母乳にたくさん含まれているリンパ球から赤ちゃんに感染します。 HTLV-1に感染した赤ちゃんは、40年くらいたってから、年間1000人に1人の割合でATLを発症します。しかし、お母さんが、HTLV-1キャリアであることがわかれば、赤ちゃんへの母乳のあげ方を工夫することによって、HTLV-1の母児感染をある程度防ぐことができます。
HTLV-1キャリアのお母さんが母乳を与え続けると、約20%の赤ちゃんがHTLV-1キャリアになりますが、母乳を止めて人工乳にすると赤ちゃんのHTLV-1キャリアは2〜3%くらいに減ります。母乳をどうしてもあげたいと思われるお母さんには、短期間(生後3ヶ月)だけ母乳を与える方法や、いったん凍結した母乳を与える方法も効果があるといわれていますが、しっかりしたデータはまだありません。母乳のあげ方については、担当医とご相談下さい。
また、赤ちゃんのHTLV-1感染の診断は、3歳を過ぎてからのスクリーニング検査で可能です。また、HTLV-1キャリアであるお母さんのフォローアップも大切です。