Q&A集/赤ちゃんのQ&A/414
赤ちゃんのQ& A

【Q414】 新生児の聴覚検査とは、どのような検査ですか?
【A414】 赤ちゃんは聞こえないということを周りの人に伝えることができません。したがって乳幼児の聴覚障害を見つけることは非常に難しいと考えられています。
生後5〜12か月は赤ちゃんが色々な音の刺激を受けて成長していく時期ですから、この時期に周りの人が話しかける言葉がはっきり聞こえないと赤ちゃんが言葉を習得していく上で大きな妨げとなってしまう場合があります。しかし、聴覚障害を早く見つけて補聴器をつけてあげたり、聴覚に障害のあるお子さんに適した療育を行ってあげれば、普通の聴覚をもつ子供と同じように言葉を習得できる可能性が高くなります。
赤ちゃんの1000人に数人が生まれながらに聴覚に障害を持っているといわれています。このような聴覚障害をもつ赤ちゃんには早期に聴覚障害を発見して、生後6か月頃までに療育を始めることで言葉の習得に効果があるケースが多いといわれています。3歳の正常聴力児は約700語の言葉を習得します。これに対して難聴児では、障害が発見されケアを受けた時期別に解析すると、誕生時では約500語、生後6か月では約300語、生後2年では約25語と発見時期が遅くなるほど習得した言葉の数が少なくなっており、早期発見、早期ケアの重要性が示されています。
近年、新生児にも使用できる聴覚検査法の開発により、生後6か月以内の聴覚障害の診断が可能になりました。この聴覚検査法には耳音響放射(OAE)法と聴性脳幹反応(ABR)法があります。
耳音響放射(OAE)法には、蝸牛(かぎゅう)の外有毛細胞の機能を検査する方法で、測定方法により、誘発耳音響放射(TEOAE)法、歪成分耳音響放射(DPOAE)法、自発音響放射(SOAE)法に分けられます。
その中の誘発耳音響放射(TEOAE)法は、赤ちゃんの耳に小さな検査装置を入れて測定する簡単な検査で、赤ちゃんに痛みはありません。検査装置内の小さなスピーカーからクリック音を発生して、この音が外耳→中耳→内耳を通って蝸牛に伝わります。蝸牛が正常に機能していると、このスピーカーからの音の刺激に続いて、蝸牛から小さな音(TEOAE)が発生されます。マイクロフォンでこのTEOAEを検出した場合は、蝸牛が正常に機能していると考えられます。赤ちゃんの難聴の多くはこの蝸牛の障害ですから、誘発耳音響放射(TEOAE)法は赤ちゃんの聴覚障害の検査に多く使用されています。周囲のノイズの影響を受けにくく、赤ちゃんが寝ていなくても数秒〜数十秒で検査できますが、後迷路性難聴(先天性難聴の1%以下)は診断できません。
聴性脳幹反応(ABR)法は、音刺激が脳波に変化を与えることを利用した方法で、スクリーニング検査として自動聴性脳幹反応(AABR)法があります。この検査は周囲のノイズの影響を受けやすいので、耳カプラーを用いて通常は赤ちゃんが寝ているときに検査をします。検査には数分を要します。
検査の結果は左右の耳それぞれについて「正常」(PASS)または「要再検査」(REFER)と出ます。「要再検査」の場合でも、それだけで赤ちゃんに聴覚障害があるということではありません。検査時の周囲の環境や赤ちゃんの状態によって、正常な聴覚でも「要再検査」の結果が出ることがありますが、その場合は再び検査をする必要があります。