Q&A集/婦人科のQ&A/614
婦人科のQ&A

【Q614】 更年期障害について教えて下さい。
【A614】 性成熟期(生殖期)から卵巣の老化により生殖能がなくなる老年期(生殖不能期)に移り変わる時期を更年期といいます。女性の一生をホルモンのリズムからみると、初経の頃に女性ホルモン(卵巣ホルモン)の分泌が増え始めて、年齢を重ねて更年期に入ると急激に減少し、閉経を迎えます。45〜55歳くらいの更年期女性にみられる体の不調は、この卵巣ホルモンの減少と、そのためにおこるホルモンバランスの崩れ、さらに自律神経の失調が合わさり、その他に心理的、性格的、社会的要因などが複雑に関与して現れる症状です。
更年期の症状は人によって出方が違い、ほとんど症状を訴えない人から、生活に差し障りが出るような障害を訴える人まで様々です。
症  状 内  容
1.血管運動神経障害様症状 のぼせ、動悸、熱感、冷え性、頻脈、徐脈
2.精神神経障害様症状 不眠、頭痛、抑うつ、いらいら、めまい、耳鳴り、閃光視、恐怖感、圧迫感、記憶力減退、判断力不良、意欲低下
3.知覚障害症状 しびれ感、知覚過敏、知覚鈍麻、蟻走感、掻痒感
4.泌尿生殖器系障害症状 腟乾燥感、膣炎、性交障害、頻尿、排尿痛、尿失禁
5.運動器管障害症状 肩こり、腰痛、関節痛、脊柱痛、腓骨筋痛、筋痛、坐骨痛
6.皮膚分泌系障害症状 発汗、口内乾燥感、唾液分泌増加
7.消化器系障害症状 食欲不振、胃もたれ、嘔吐、便秘、下痢
8.その他の症状 疲労感、腹痛
これらの症状は、頻度の高い順から肩こり、疲労感、のぼせ、頭痛、腰痛、発汗、不眠、いらいら、皮膚の掻痒感、動悸、抑うつ、めまい、胃もたれ、腟乾燥感が報告されています。
以前は気のせいといわれ、多くの女性が更年期のつらい症状を我慢してきました。しかし現在はいろいろな対処法が工夫されています。中でも激減する卵巣ホルモン(卵胞ホルモン)を外から補うホルモン補充療法は、更年期障害の改善に大変効果があります。また、ホルモン補充療法は、閉経周辺期にみられる骨粗鬆症、動脈硬化、心疾患の予防や中高年女性の生活の質の維持改善を目的にしても用いられています。その他に自律神経調整薬、向精神薬、漢方製剤などが使用されます。
更年期障害は老年期までの一時期に出現する症状ですから、更年期を明るく乗り切るために、趣味に高じたり、友人とのおしゃべりや旅行に出かけたりするなど気分を紛らすことも重要です。それでも症状の改善がみられない場合は、我慢しないで主治医の先生とよく相談され、ご自分に適した治療法を見つけて下さい。